しばらくかちゃんの昔話が続くので、他人の過去に興味ないって方はスルーな方向でヨロ！

＜人生の振り返り＞
秩父に移住するまでのおおまかな流れは
●人生を立ち止まって振り返ることは大切だよ。前半 - 盲目黒柴犬とおひとり様の里山移住暮らし
●秩父移住前に人生を振り返る後半・・とその前に！！ - 盲目黒柴犬とおひとり様の里山移住暮らし
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かあちゃんの人生を変えてくれた人は俳優（声優）の山内雅人さんだ。

1973年、たまたま友人の代わりにアルバイトに入った先の代表の方だった。
どんな職場なのかも、どんな人なのかも知らないままアルバイトをはじめた。
朗読、語り、声の表現者、声優界のパイオニアの方。
と、山内先生の素晴らしさを知ったのは先生の元を去ったずーっとあと。

ここで、企画、制作、出演いろいろ学び創り出してきた。
各プロダクションやNHKなどなんの気兼ねもなくひょこひょこついて行った。
その有難さに何も気が付かず・・・・・
何年後かに砂をかけるようにいきなり辞め、
他界された時、ご連絡を頂いていたにも関わらずお式に参列しなかった。

どうしようもない馬鹿だよかあちゃんは！！
先生はかあちゃんに「技法」を教えてくれたわけではない。
「指導」をしてくれたわけではない。
「環境」を与えてくれていただけ、
「自由に創り出す環境」を
10代の小娘に与える・・・・そりゃあ今考えると凄いこと。
「YOU！やっちゃいなよ！」とはおっしゃらなかったけれどね（＾＾；；；

下北沢に香多里亭というライブハウスを運営し、
毎月たくさんの声優俳優さんが出演料無しで集まってきた。
千葉繁さん、島本須美さん、堀内賢雄さん、田中真弓さん・・・・
こんなメンバーの朗読会を開催し、
小・中学校の国語教科書の朗読テープの録音制作もさせていただいた。
野沢那智さん、麻上洋子さん・・・・・
素人のかあちゃんがそのレコーディング、編集を担った。
あの頃はWeb環境もなかったし、ひとつひとつやり方なんてわからない。
わからなくても「やるしかない」
必死で納品し、それが教科書のお手本教材として全国の子供たちが聞く。

こうして思い出しながらblogしてたら、怖くなった（＾＾；；；；；

「環境」を与えてくれていただけ、「自由に創り出す環境」を
10代の小娘に与える・・・・そりゃあ今考えると凄いこと。
山内先生のおかげでその後のかあちゃんは30年間、
細々ながらも声優界で生きてこれたんだ。
もう一度会えたなら笑って許してくれるだろうか・・・
あのミッキーマウスに似た優しい笑顔で！

時は流れ・・・・
山内先生から巣立ったかあちゃんが、その後仕事の指針にしていたのは
「オーディション」をしない。ということ。
キャスティングは自分の耳で選んで決める。
先生がそうしていたからだ。

山積みになった各プロダクションのデモテープを冒頭の３０秒だけ
一日中聞きながら、ふと手に取った養成所の新人さんのデモ。
恐らく彼が初めて録音したデモ。
「・・・・・・しものひろ・・・です。」
コーヒーを飲みながらその一声に吹きだし笑った。

なんだこの子？自分の名前訛ってる！？（＾＾；；；；
緊張してるのかーおもしろいなぁ～・・・・この子のデモだけ最後まで聞いた。
よしっ、この子にお願いしてみよう！

今大ヒット中のアニメの声優誕生の瞬間だった。

のちに、「なんで僕を選んだんですか？」と聞かれて
「自分の名前なのに訛っていたから」と答えたら嫌な顔？してた・・・わけわかんないよね（＾＾；；；

しものひろ君を起用するにあたっては彼のマネージャーさんからも反対された。
「なんで下野なんですか？」・・・・・・う～ん・・・・。
「この子は売れるよ！間違いなく売れるから使わせて！！」
そう断言してた。

とにかくそこから怒涛のように彼のWebラジオ、動画配信、歌のレコーディング、毎月のイベントetc・・・・。彼ににとって「初」を与え続けた！
「経験」の積み重ねが彼の財産になるはず！

でも、泣きながら逃げ出したい気持ちで必死にこなしていたんじゃないかな。
アニメ声優になりたいのに、歌だのラジオだのファンサービス、温泉ロケだの自分の描いていた声優とは違う方向の仕事ばかり・・・・。
きっとかあちゃんに対しての気持ちは「恐ろしいおばちゃん」だったんだと思う。

まもなく彼はアニメーション作品で声優として夢だったデビューをした。
いろいろな人に助けてもらいながら彼自身の努力で中堅どころに成長した。

そしてかあちゃんも10年前に声優界から引退（一度目のリタイアｗ）
それからはお互いに連絡も取り合っていない。

秩父に移住しテレビも捨てた生活をしていても伝わってくる彼の成長。
いま、ふと思うのは山内先生から渡された「世に生み出す」というバトンを
かあちゃんもまた次に繋げられたのかもしれないな（＾＾）
おめでとう！紘！

彼だけでなく、頑張ってくれていた子たちはいまも活躍していてくれる。
声優界ではなくともそれぞれの人生の歩みに幸あれと願います（＾＾）